岡山大学西洋史学研究室便り

岡山大学西洋史学研究室で行われたことなどを更新していきます。

西洋史勉強会・イギリス史部会、第二回のご報告

こんばんは、西洋史M1の北川です。
今日の五限に勉強会・イギリス史部会の第二回が行われました。今回は、その様子と感想を報告させていただきたいと思います。

参加者は七名。うちわけは院生二名に四回生五名で、西洋史だけでなく哲学芸術コースからも学生が参加してくださいました。
まずは各自簡単な自己紹介。
それが終わると、お菓子や飲み物をつまみながら、発表者(今回は僕ですが)の発表を聞いてゆきます。この1000年の間に世界のGDPはどのように変化していったのか、という壮大な話から、現代インドとイギリス社会、そしてその二つの社会をつなぐ「絆」について。そして、近代世界における最大の帝国となった19世紀イギリス帝国はどのような存在だったのか、その概要について……。そして僕が「イギリス帝国というと白人の国だと想像しがちだが、実際はさまざまな地域の人々が結びついて動いていた存在だったのだ」という風な感想で締めくくり、会はいざ第二ラウンドへ。
正直いって、その第二ラウンド――わからない単語や疑問に思った事柄についての討論――がこんなに盛り上がるとは、想像もしていませんでした。そのきっけは「ヘゲモニー国家ってなに?」というものから始まりましたが、よく考えてみればヘゲモニー国家ってなんだろう? 一応、いくつかの書籍に載っていた定義を僕が発言してみると、今度は「じゃあその定義には中国とかも入るんじゃないの?」「どこからどこまでの範囲をヘゲモニー国家っていうの?」「そもそも、なぜヨーロッパは覇権を握ることができたの?」……エトセトラ。どれも素朴な(といったら失礼かもしれませんが)問いですが、これまでイギリス史をそれなりの間学んできた僕も、ついつい考え込んでしまいました。ああじゃないかこうじゃないか、とみんなで意見を述べ合って、気がつくと勉強会開始から一時間が経過しているという状況で、本当に実りのある討論会だったと思います。

さて、勉強会の内容はこんな感じでしたが、ここで感想――というか勉強会の宣伝をば。
この頃勉強会についての話題をよく耳にします。例えば「他のコースから、他の研究室から変わってきたから知識がない」とか「まだまだ未熟で、勉強会に参加してもついていけるかわからない」とか……。ですが僕はここであえて、そういう人たちにこそ勉強会に参加して欲しいと思います。わからないことがあれば尋ねればいいし、疑問に思ったことがあれば率直に聞けばいい。勉強会とはそういうことができる場ですし、ある意味それこそが勉強会の存在意義でもあります。


ですから、西洋史にハードルを感じている皆さんも、ぜひぜひ勉強会に参加してみてください。意欲のある人は自分で立ち上げてみるのもいいかもしれません。例えば「歴史初心者同士、基礎的な概説書を読もうの会」とか……言ってくれれば、可能なかぎりご協力しますよ。
それでは、長文失礼いたしました。