岡山大学西洋史学研究室便り

岡山大学西洋史学研究室で行われたことなどを更新していきます。

オープンキャンパス2015

岡山大学では年に1回オープンキャンパスが開催され、中四国を中心にとても多くの高校生を出迎えます。文学部では例年模擬授業を行い、学部の説明をしてきただけだったのですが、昨年から研究室公開を始めています。今年度も西洋史学研究室ではこれに協力し、多くの高校生や保護者の方々とお話をさせていただきました。暑いにも関わらず、お越し下さり感謝申し上げます。

8月7日(金)、お昼頃から学生有志の協力を得て研究室公開の準備をスタート。部屋の掃除もさることながら、ウェルカムボードの作成に力を入れます。昨年の経験を踏まえ、今年は多くの研究室で何らかの工夫をしていた模様。特に心理学は学生の研究報告をポスターにして掲示し、とても目を引いていました。

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西洋史らしさ・・・研究室公開全体を担当している先生からはコスプレをして出迎えたらというご提案もいただきました。作ってくれたら着るのはやぶさかでないので、来年以降縫い物ができる学生が入ってくれたら実現するかもしれません。

ウェルカムボードには、西洋史で扱う各国の言葉で「ようこそ」を書いていってもらいました。これを廊下に出すことで、関心を持って入ってきてくれる生徒さんは多かったように思います。

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保護者の方がとても多くいらして下さいました。高校生と親御さんとで、質問の傾向が違うことが印象的でした。両方に対応できるよう、2〜4回生から幅広くお手伝いに来てもらっていてよかったです。西洋史の特徴としてヨーロッパへの留学者が多いのですが、交換留学制度を説明すると親御さんが「私がむしろ行きたい」とおっしゃっていて、つい笑ってしまいました。そう言っていただけたのなら、こちらの説明もうまくいったということなのでしょう。

出迎えることができたのは、1時間余で30人くらいでしょうか。50人を超えるとおそらく流れ作業になってしまうので、どなたともゆっくり談笑できるこれくらいがちょうどよかったかと思います。

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最後に有志のみんなと記念撮影。夏休みを有意義に過ごしてくれますよう。

 

(文責:大貫)

卒業式、と年度の締めくくり。

こんにちは。
前の更新からまた少し間隔があいてしまいましたが……
このブログをご覧のみなさんも、高校生から大学生になる方、大学生から社会人になる方、その他様々なお立場の方がいらっしゃるのではないかと思います。
そう3月は門出の月。今回は、先日行われました卒業式についてお話したいと思います。

岡山大学では毎年3月25日に卒業式が行われるのですが、大学筋と呼ばれる大学付近の南北通りは、袴姿の女学生とぴっしりしたスーツ姿の男性で賑わいを見せるのが恒例となっております。
そんな卒業生を寿いでか、通りのお店でも様々な催しが開かれています。私が聴く限りですと、近くのコンビニでは卒業生にお惣菜をプレゼントする試みが何年か前から行われているようです。街の方が主体となって、「全体で」新たな門出をお祝いする温かな空気が流れています。

そして、我らが研究室でも僅かながらお祝いする運びとなりました。
これも毎年の、後輩から先輩に贈る、最後の感謝の形です。

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準備は万端。
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晴れやかな姿で、歓談。
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記念写真もしっかり!
改装中で本棚にはあきがありますが、やはり研究室といえば蔵書の前ですね(笑)

先輩方はみな口を揃えて「また遊びに来るよ!」と仰っておられました。
そのお言葉が、我々準備した勢にとっては何よりの宝物でした。
改めて、この度はご卒業おめでとうございます。洋々たる前途を祝して、乾杯!

次回はもう新年度の更新になるのでしょうか……新年度も引き続きブログ更新していきますので、よろしくお願い致します。
別れがあれば出会いもある。ニューカマーの到来を今はただ待ちたいと思います。





(文責・片岡)

卒論発表会が行われました

こんにちは。
ご無沙汰しております。
バレンタインの催しが巷を騒がせておりますが、今回は先日行われました卒論発表会についてご報告します。
何故日が遅れたかと申しますと、開催日の夜は帰宅が遅れ、筆者の体力ゲージが瀕死状態だったからですね……
しかし充実した内容の発表から打ち上げまで盛りだくさんで、実りある1日だったのは間違いありません。
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見ている方も緊張します。
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朝から夕方までみっちり!
論文のジャンルも古代から現代まで様々でした。
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会の後は打ち上げ!
美味しいお食事とお酒で歓談しました。

来年は自分が卒論を書く段になるのですが、恰好の刺激になったと思います。
次に先輩方とお会いするのは卒業式の折でしょうか……
改めて、13名の先輩方、お疲れ様でした!

以下、卒論で扱われたテーマです。

「中世ヨーロッパにおける結婚制度の変遷と社会構造の関わり」
「『国母』マリア・テレジアと教育」
黒死病流行期におけるユダヤ人迫害と市政権の移行ーストラスブールを事例にあげてー」
古代ローマ帝国におけるキリスト教徒大迫害ー大迫害はなぜ起こったのかー」
「近代ドイツにおけるジャガイモの普及について」
「聖母信仰とフランス王権ーアリエノール・ダキテーヌの事例を中心としてー」
「イギリス産業革命期における工場法制定とその背景ー児童労働および労働・衛生環境に重きを置いてー」
「中世〜近世における塩税制度と地域社会」
ローマ帝国におけるガラス技術の発達と価値観の変化」
ナチス下の教育からみるナチズムロマン主義との関連性」
スウェーデンにおける福祉国家への転換ーなぜ国民は「高負担」を受け入れたかー」
「11世紀から12世紀における「神の平和」運動の軌跡ーフランス・ドイツを中心にー」
第三帝国におけるナチズムの強制的同質化」

(文責:片岡)

新年会&大掃除!

明けましておめでとうございます!
このブログをご覧の皆様にとって今年が良い年でありますように。
今年も西洋史研究室を宜しくお願いいたします。

さて、年も改まりまして最初のイベントは、毎年恒例新年会。
昨日(1月4日)ロシア史の先生のご自宅にて、奥様特製のボルシチをご馳走になりました。
他にも参加者持ち寄りの食事やデザート、つまみなどバリエーション豊かなメニューが並びました。まさに「食い倒れ」ってやつですねo(^▽^)o
食後はビンゴゲームや百人一首大会など大盛り上がりの楽しいひと時に!
久々にOBの先輩方ともお会いすることが出来、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。
欲を言えばもう少し現役に来て欲しかったところですが、3回生はレポート、4回生は卒論に忙殺されていた模様。来年はもう少し現役主体の会になれば、先輩方の気苦労も減ったのになあとそこは少し反省する筆者でした。
改めて先生、奥様、ごちそうさまでした!
(絶品のボルシチを写真に収められておりません。なんたる失態……撮るのも忘れるくらい食べるのに夢中だったようです。ちなみに筆者、3回おかわりをしました。本当に遠慮がない)

そして本日(1月5日)は研究室の大掃除。
有志の学生、大学院生、教員の総勢6人が参加してくれました。
分担と効率化が功を奏し、予定していたよりも早い時間に終了。
本棚や書架はより使いやすく、水周りはより美しく!
更にパワーアップした研究室として今年もガンガン活用してくださいね(*^^*)
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辞書類がわかりやすくまとめられて使いやすくなりました
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水周り利用のルールは2回生女子のお手製。とっても可愛らしい字です

そして終了後は小規模に打ち上げ〜
なぜか室内でたこ焼きプレートを発見したため、筆者の関西人の血が騒ぎ、急遽たこ焼きパーティーと相成りました♪
タコのみならずソーセージやチーズも使ったラインナップでしたが、意外と好評で良かったです!
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たこ焼き粉が足りなかったので余った具をチーズと一緒に焼いたりしてます☆

ちなみにこれは豆知識ですが、関西人の家庭に必ずたこ焼きプレートは存在するのか?と問われると、大抵の関西人はこう答えます。
「一家に一台? どないやろ、わからへんわ。うちにはあるけどな」
結局みんな持ってんのかい!というオチだったりします……

さて、2015年をふたつの大きなイベントを皮切りに始動した西洋史研究室。
8日には講義にゲストをお招きしての特別講演もあり、また勉強会もあり(日程は未定)、精力的に活動していく予定でおります!
次回の更新をお楽しみに。

(文責: 片岡)

【第6回】中世史勉強会

こんにちは。
前回の更新からかなり時間が経ってしまいました……前は研究室旅行?! コスモス?!!
巷では既にクリスマスソングがかかっているのに(^ω^;)

 

さて、後期の授業が始まって以来、研究室では様々なイベントが行われておりました。
勿論、定期の勉強会も続いておりますよ!
と、いうことで。今回の更新は勉強会についてです~

本日研究室で開かれたのは「中世史勉強会」。

決められたテキストを全員で読み、担当者がレジュメ作成→口頭発表 という形式をとっております。
近代史については前の記事に投稿しておりますのでそちらも併せてどうぞ(・ω・)ノ

 

今回のトピックは「海の彼方のイタリア――イタリア都市の海外領土」。
イタリアの港湾都市が抱えていた海外植民地についてのお話です。
ジェノヴァヴェネツィアを主な例として提示し、「点」の支配と「面」の支配、現地(主にギリシア)支配の在り方、商業を通した土地経営への発展など様々なトピックについて言及されました。
地図を見ながらのプレゼンテーションによって位置関係も把握できたのですが、とりわけジェノヴァの支配領域はまさに点と点を結ぶような形で構成されています。
コルシカ島は近場ですしまだわかりますが、クリミア半島まで手を延ばしているってなかなか遠いところまで行くなあと……この辺りは前回の勉強会でも取り扱いましたが、時代によってはモンゴル系の影響も受けるんですね。交易拠点として押さえておく必要があったのだと言うことがわかります。
逆にヴェネツィアクレタ島キプロス島など島まるごとを支配領域にしてしまうケースが多く、これを文中では「面」的支配と表記していました。
拠点のみならず後背地も支配し、それが結果的に現地のギリシャ人との衝突を克服したことで、支配は600年にもわたって続くことになります。
興味深かったのが、ヴェネツィア系住民の土地貴族化です。商業で入植したはずが、14世紀には農地経営の方がスタンダードになっていたそうな。本国にも100年ほど先駆けて貴族化していたんですね。しかもその農産物は遠くロンドンなどとの貿易に用いられたそうです。ダイナミックに流動する中世社会の端緒を垣間見れたようで、やはり貿易は心躍ります!
議論の中心となったのはやはりその海洋交易の在り方。「海洋帝国」としてのオランダ・イギリスとの比較などにも及び、海軍史を専攻している先輩からはイギリス帝国の植民地経営との類似点が挙げられました。その文脈でオスマントルコとの関わり合いも推測されましたが、詳しくなかったためそれ以上の議論に持って行けず。。。ここは個人的な反省になりますが、もう少し勉強しておかなければなりません。
あとは植民地における宗教に関しては比較的寛容だったというのが少し意外でした。キリスト教の東西対立は激しいものと勝手に思いこんでいたフシがあったので、勉強になりました。
色々学べる奥深い回だったと思います。イタリアと言う地域は専門から少し離れることもあって毎回そうなのですが!
今回も参加して下さった皆さん、ありがとうございます。

次回は第6章「大学の誕生と都市」です。次回からは都市民の生活に踏み込んでいくので、よりイメージが湧きやすいかも?
多くの方のご参加をお待ちしております!開催日程は未定ですが、おそらくは年明けになります。

それではまた次回の勉強会もレポートします~

 

扱った文献
 齊藤寛海・山辺規子・藤内哲也編『イタリア都市社会史入門 12世紀から16世紀まで』2008年、昭和堂

 

(文責・片岡)

研究室旅行がありました

こんにちは。

台風一過の岡山では爽やかな・・・・・・否、激しい風が吹き荒れているものの、雨の気配もなく非常に落ち着いた様相を見せております。

かく言う私も研究室から更新しております^^

避難勧告の出ている地域もあるとのことで、何事もなく早く去ってくれるのを待つばかりです。

 

さて、タイトルにあります通り、今回は先日(9月29日・30日)行なわれた研究室旅行についてご報告したいと思います!

 

行き先は美作三湯にも数えられる名湯・湯郷温泉

1300年前に円仁法師が鷺に導かれて開いたとされる歴史深い温泉郷です。

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岡山~津山(津山線)、津山~林野(姫新線)という長旅。

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にも拘らず、ハイテンションな学生たち。

駅舎にはコスモスが咲き誇っていました。秋の訪いを感じずにはいられません。

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到着後は3時間ほどの自由行動を経て、メイン・イベントでもある卒論中間報告会がありました。

どの報告者の卒論も、読んでみたくなる魅力的なものばかりでした。先輩方、お疲れ様でした!

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来年になれば私もこうして発表者側に回るわけですね。。なんだか今から緊張します。

そして、その後はお待ちかねの宴。

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少し辛味の利いた鍋は絶品でしたね!

 

翌朝は用事のある方もいらっしゃるということで、ある程度まとまりながらの自由解散となりました。

参加された皆さん、お疲れ様でした!

去年に引き続き2回目の開催となった西洋史研究室旅行ですが、今年度は卒論の中間発表を盛り込むなど、いくつか初の試みもありました。

来年度以降もよりよくなるように改良を重ねながら継続していければ、と思います。

 

余談ですが、筆者は翌日半日をかけて津山市内を観光してまいりました。

城下の町並みが美しかったので、湯郷に行かれる機会があれば併せてどうぞ♪

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(文責・片岡)

オープンキャンパスと研究室公開

こんにちは。

先日の好天とはうって変わって、台風の接近に荒れ模様の天気が続いております……


そんな中、昨日はオープンキャンパスに伴う研究室公開が行われました!


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研究室公開用のポスター、かっこいいですね!


今年度から始まった取り組みで、どれだけの高校生が来てくれるのか……どんな対応をすればいいのか……全くの未知数でしたが、いざ始まってみると想像をはるかに上回る盛況に説明が追いつかないほどでした(^_^;)


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お菓子の準備も万全でした


受験方式から普段の授業の取り組み、研究室の機能や雰囲気など様々な質問が飛び交いました。

惜しむらくはスタッフが少なく、見学者の皆さんの需要に詳しくお応え出来なかったことですね……来年はもう少し組織的に、機能的に見学をサポート出来ればと思います!


関心の高い高校生の方々とお話しながら、彼らの健闘をお祈りする次第でした。

我々にも刺激になりますし、勉強になります!

お越しくださった皆さん、ありがとうございました。


(文責・片岡)